このコーナーでは、歴代のフラメンコ歌手の中でも
フラメンコの発展に寄与したり、それぞれの時代を代表した
特に重要と思われるフラメンコ歌手をご紹介します。
ニーニャ・デ・ラ・プエブラ 1909年生まれ
ニーニャ・デ・ラ・プエブラは、ラ・プエブラ・デ・カサージャと言う
セビージャ県内の村の出身で、盲目の美人歌手として知られています。
彼女の出身地は人口も少ない小さな村なんですが、
カンテがとても盛んで、フラメンコ愛好会にも多くの会員がいて、
彼女の他にも数多くのフラメンコ歌手が生まれています。
私(ナランヒータ)の留学時代のクラスメイトにも、
このラ・プエブラ出身の まだ14歳の女生徒がいて、
自分の村で、いかにカンテが盛んなのかをよく話してくれました。
ニーニャ・デ・ラ・プエブラ(本名Dolores Jimenez Alcantara)は、
1909年に生まれ、1999年に亡くなりました。
お亡くなりなった時、私も偶然セビージャにいたので、
テレビやラジオで多くの追悼番組が放送されたのをよく覚えています。
特にフラメンコ専門のラジオ局では、追悼の為に、
24時間彼女のカンテだけが流れたくらい人気のある歌手でした。
彼女の夫もルキータ・デ・マルチェナというフラメンコ歌手で、
二人の間にはアデルファ・ソトとペペ・ソトという
二人のフラメンコ歌手も生まれています。
マノロ・カラコール同様、ニーニャ・デ・ラ・プエブラも、
多くの映画に出演し、彼女の夫も、子供達もみんな映画で活躍しました。
現在活躍しているフラメンコ歌手が、
映画で主演をすることは考えづらいかもしれませんが、
古きよき時代には、フラメンコ歌手=映画スターでもあったんです。
今回の映像は1988年彼女が79歳の時に、
グラナダのフェスティバルでカンパニジェロを歌った時のもので、
横でギターを弾いているのは、日本でも人気があるトマティートです。
カンパニジェロは、フラメンコのクリスマスソングと知られ、
ニーニャ・デ・ラ・プエブラの代表曲です。
CDも手に入りやすいので、クリスマスシーズンに1枚いかがでしょう。
2014年6月16日筆 Naranjita