ナランヒート・デ・トリアーナ of フラメンコ百科事典-歴代フラメンコ歌手

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このコーナーでは、歴代のフラメンコ歌手の中でも
フラメンコの発展に寄与したり、それぞれの時代を代表した
特に重要と思われるフラメンコ歌手をご紹介します。

ナランヒート・デ・トリアーナ  1933年生まれ

私の師匠ナランヒート・デ・トリアーナ(Naranjito de Triana)をご紹介しましょう。

ナランヒート・デ・トリアーナ(本名JOSÉ SÁNCHEZ BERNAL)は、
1933年セビージャに生まれ、2002年マドリッドの病院で亡くなりました。

ご紹介するカンテは、グラナイーナです。


ナランヒートは、7歳の時から人前で歌っていて、
子供の頃はフラメンコミュージカルにも多く出演、
その後、アントニオ・マイレーナの後ろ盾もあって、
本格フラメンコ歌手への道を歩みました。

スペイン全土のみならず世界各国でも多く公演をして、
日本でも何度もカンテを披露しています。


晩年はカンテコンクールの審査員を歴任し、
セビリアのフラメンコ芸術学院にも立ち上げから参加、
フラメンコアーティストもきちっと歴史なども勉強するべき
と言うスタンスを保ち、歌手だけにとどまらず、
多くのフラメンコアーティストを育てました。


ナランヒートがカンテの師匠として素晴らしかったのは、
一般にカンテの先生方は自分の歌いかたを指導するのに対し、
ナランヒートは、それぞれのカンテの基礎だけを指導し、
歌いかたは極力各生徒のオリジナルを引き出した点です。

生徒それぞれが自分の個性を伸ばすことができたので、
ビエナル、カンテデラスミナス、コルドバ等の主要カンテコンクールで、
生徒たちもたくさん優勝することができたのでしょう。


歌手としては、すべての曲種に精通する非常に珍しい歌手であり、
つやのある透き通る声で多くの観客を魅了しました。
尚、教えるときと違って、客前で歌うときは、
独特の複雑なアレンジを加えることでも知られています。

私がカンテをはじめたころには、
ナランヒートはすでに現役を退いていたので、
残念ながらナランヒートのステージでのカンテを聴いたことはないので、
彼のステージングの勉強をすることは出来ませんでした。

でも、レッスンの時は、毎朝一番に学校にやってきては、
その日生徒に教えるカンテの録音を丁寧に聴いて復習するという、
カンテを学ぶ者、教える者としての基本姿勢を教えてくれました。


ナランヒートは、
カンテとは難しいものなんだ、
文字通り死ぬまで勉強を続けなければ劣化してしまうという事を、
身をもって私達生徒たちに指し示していたのでしょう。

2014年6月20日筆 Naranjita



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