このコーナーでは、歴代のフラメンコ歌手の中でも
フラメンコの発展に寄与したり、それぞれの時代を代表した
特に重要と思われるフラメンコ歌手をご紹介します。
アントニオ・モリーナ 1928年生まれ
アントニオ・モリーナはフラメンコ歌手で、
映画に一番多く主演していることで知られています。
アントニオ・モリーナ(本名Antonio Molina de Hoces)は、
1928年マラガ県のトタランで生まれ1992年マドリッドで亡くなりました。
ご紹介する映像は、映画の中でコロンビアーナを歌う姿。
1950年代~60年代当時は、このようなフラメンコミュージカル映画が
たくさん作られました。
同じ作品を劇場で生のミュージカルとしても見ることもでき、
今でも映画、ミュージカルの両方がDVDで発売されています。
また、映画でもたくさん共演しているラファアエル・ファリーナと一緒に
マドリッドのカフェ・デ・チニータスなどのタブラオにも多く出演しました。
私生活でも8人の子供にも恵まれ、
彼の子孫の多くは今でも音楽関係の仕事をしているそう。
実は私も留学前は、アントニオ・モリーナを全く知りませんでした。
でも、スペインでデパートでDVDやCDを見ていたら、
大量の彼の作品を目にしたんです。
フラメンコ映画ののDVDが20枚見つかったとしたら、
そのうち10枚以上はアントニオ・モリーナが主演しているくらい
圧倒的な量でしたし、CDもしょっちゅうリメイクされ、
毎年のように新しいベスト盤が発売されるほど。
彼の子孫が音楽業界にたくさんいるせいもあると思いますが、
現在でもそれだけ多くセールスがあがっているんだと思います。
日本で考えられてるフラメンコ歌手とはイメージが違うかもしれません。
でも、スペインではいまだにとっても人気があるんですよ。
2014年6月16日筆 Naranjita