アナ・レベルテ of フラメンコ百科事典-歴代フラメンコ歌手

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このコーナーでは、歴代のフラメンコ歌手の中でも
フラメンコの発展に寄与したり、それぞれの時代を代表した
特に重要と思われるフラメンコ歌手をご紹介します。

アナ・レベルテ  1951年生まれ

アナ・レベルテ(本名Ana Zamora Martín)は、
1951年にロス・コラーレス(セビージャ県)で生まれました。

アナ・レベルテは日本ではあまり知られてはいません。
実は、私も留学するまでアナ・レベルテを知らなかったんです。

でも、現地のCDショップに行ったら、
あまりにも彼女のCDが多いのにまず驚きました。

現在、ご存命中の女性フラメンコ歌手の中では、圧倒的に多いと思います。
だって、今までにすでに26枚のアルバムをリリースしているんですもん。

そんなにCDをだくさん出している人気歌手なのに、
日本ではあまり知られてないのはなぜなんでしょうね?


今日ご紹介する映像はコロンビアーナですが、
アナ・レベルテは、カンテのほとんどの曲に精通し、
バリエーション豊かなレパートリーをリリースしています。

また、彼女のCDが多く売れている理由として、
歌詞がオリジナルで、わかりやすいからとも言えるでしょう。

実際に歌っているときも、彼女のカンテの歌詞はかなり聞き取りやすいのですが、
ライナーノーツを見ると、あまりにも日常的で簡単な言葉だけで、
歌詞が紡がれていることに驚きます。


という訳で、今日は少し歌詞のお話しをしたいと思います。

今から10年くらい前までは、カンテの歌詞といえば、
先輩カンテが歌い継いできたものを、
後輩たちもそのまま受け継いで歌うことが常でした。

そんな中、自分のオリジナルの歌詞を使う歌手も少数ですがいて、
たとえば、私の師匠のナランヒートやカリストなんかもそうですし、
今日ご紹介しているアナ・レベルテも女性としては珍しく、
自分のオリジナルの歌詞を使う歌手なんです。

ただ、ナランヒートやカリストは自分で作詞をしていますが、
アナ・レベルテは、主にプロの作詞家に作詞してもらって歌っています。

伝統的な歌詞を使う事よりも、
観客により身近な歌詞を使って共感を得る事を優先しているんですね。


ところが、スペインがユーロに加盟してから、色々な事が変わってきました。

たとえば、著作権。

今までカンテの歌詞に関しては、
先輩の歌詞をそのまま使う事が、慣習として行われてきたので、
特に誰も著作権を問題にしなかったんですが、
ユーロに加盟してからは、まず誰の著作なのかをはっきりする必要があり、
その著作者にOKを取ったり、作詞料(著作権料等)を支払わなければ、
その詩を歌って録音を販売することも、
コンサートで入場料を取って歌う事も できなくなりました。

それで、先輩の使っていた歌詞を、いわば勝手に使ってた人たちは、
新しく自分用の詩を用意する必要が出てきたんですよね。

アナ・レベルテは、以前より自分用の歌詞を用意して歌ってきたので、
著作権の問題には全く抵触する心配なく活動ができます。

以上のような著作権の問題を踏まえて、
最近では、プロのフラメンコ作詞家という人も増え、
フラメンコ歌手にたくさん歌詞を提供するようになりました。

また作詞家の登竜門として、
カンテ作詞コンクールも、ちょこちょこ開かれるようになったんですよ。

ちなみに、日本国内でカンテをお仕事として歌う場合にも、
歌詞の著作権は守らなくてはならないので、
作詞者の了解を得てから歌わなければいけないのは、 スペインと一緒です。

2014年6月20日筆 Naranjita



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