このコーナーでは、フラメンコの用語をご紹介します。
日本では、様々な音楽ジャンルに、専門の用語があるせいか、
フラメンコでは、独特の用語を使うように思われるかもしれません。
でも、本場スペインではプロのアーティストも一般のスペイン語を使って説明していて、
特にフラメンコ専用の用語というものはありません。
ただ、スペイン語は、日本語に比べると単語の数が少なく、
ひとつの単語をいろいろな意味に使いまわすので、
私たちから見ると、誤解も起きやすいでしょう。
勘違いしないコツは、フラメンコ用語らしいスペイン語が出てきたら、
普通の西和辞典を使って確認することですね。
フラメンコ音楽用語 10)リリカ LIRICA
10) リリカ
リリカとは、スペイン語で一般に詩や歌詞を指します。
フラメンコの歌詞もリリカと呼ぶのが一般的です。
フラメンコの歌詞にはいくつかの特徴があるのですが、
その代表的なものが、アンダルシア訛り。
ほぼ標準語で歌う人もいますが、
多くのフラメンコ歌手が御国訛り丸出しで歌うので、
スペイン語がわかる人でも、歌詞を聞き取るのはかなり大変なことです。
以前は、フラメンコのCDにライナーノーツを付ける習慣がなかったのですが、
10年ほど前からは歌詞もちゃんとついていることが多くなったので、
だいぶわかりやすくなりました。
フラメンコの歌詞の内容は、恋愛に関することが多いと思われがちですが、
実は、一番多いのはカトリックの信仰に関すること、
他には病気や貧困、家族のこと、人生への教訓などが多く、
恋愛に関する歌詞は10%もありません。
フラメンコの歌詞は、
アンダルシアの農民や船乗りなどの普通の人たちが、
日常的に感じるあらゆることを主題としているんです。
2014年7月2日筆 Naranjita