このコーナーでは、フラメンコの用語をご紹介します。
日本では、様々な音楽ジャンルに、専門の用語があるせいか、
フラメンコでは、独特の用語を使うように思われるかもしれません。
でも、本場スペインではプロのアーティストも一般のスペイン語を使って説明していて、
特にフラメンコ専用の用語というものはありません。
ただ、スペイン語は、日本語に比べると単語の数が少なく、
ひとつの単語をいろいろな意味に使いまわすので、
私たちから見ると、誤解も起きやすいでしょう。
勘違いしないコツは、フラメンコ用語らしいスペイン語が出てきたら、
普通の西和辞典を使って確認することですね。
フラメンコ音楽用語 12)フラメンコ化 AFLAMENCADO
12) フラメンコ化
フラメンコ用語の中でも、
フラメンコの本質を表す大事は言葉(概念)をご説明したいと思います。
フラメンコ化 です。
フラメンコ化と言う言葉があるという事は、
何かをフラメンコ化して、フラメンコにするという事。
実は、フラメンコというのは、
自然発生的にできた歌ではありません。
アンダルシア地方をはじめとする村々の民謡、
当時(~100年前)の流行歌、
グレゴリオ聖歌、
イスラム教信者たちの歌、
などなどをもとにして生まれた言われています。
それらの歌を、当時のフラメンコ歌手達が、
プロが歌うフラメンコの歌に変えていったのです。
その工程がフラメンコ化。
残念なことに、フラメンコのもとになった歌の多くは、
いつの間にか忘れ去られてしまって、もう残ってはいません。
でもほんのいくつかですが、
当時のままの形で歌い継がれているものもあるので、
もとになったそれらの歌を、
フラメンコ化された現在のフラメンコの歌(カンテ)と比べると、
フラメンコ化というのはどういうものなのかわかって頂けるでしょう。
(たとえば、もとの民謡がサラゴサのホタ、
出来上がったカンテはカンティーニャ。)
フラメンコ化の目的は、上記のように、
誰でもが歌えるシンプルな歌を、
プロの歌手が観客を満足させられるような歌にすること。
具体的には、メリスマ(こぶしのようなもの)を加えたり、
単純なメロディの音程を複雑にしたり、
音域の狭い歌のメロディを展開して音域を広げたりなどがあります。
つまり、フラメンコ化をへて出来たフラメンコの歌(カンテ)は
プロが仕事で歌う為の歌なんです。
2014年7月6日筆 Naranjita