このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。
意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。
フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。
(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)
第2グループ ソレア系
バンベーラ
民謡が元になっている曲が多いフラメンコですが、
このバンベーラは民謡だった頃の面影を特に強く残しているカンテです。
バンベーラをフラメンコのレパートリーとして広めたのは、
女性フラメンコ歌手として草分けの
ニーニャ・デ・ロス・ペイネスだと言われています。
民謡のバンベーラは、もともと草原の大木にに大きなブランコを結びつけ、
女の子がかわるがわるこぐお祭りで歌われた歌で、
ゆっくりめの3拍子で歌われ、同時に着飾った娘たちに踊られていたようです。
そのなごりで、バンベーラの歌詞には、今でもブランコがよく出てきます。
(ブランコはコルンピオといいます。)
バンベーラはスペインの他の民謡が元になったカンテと同じように、
当時はファンダンゴのリズムで歌われていたものが、
編曲されて、フラメンコのレパートリーに取り入れられてから、
アレグリアス・ソレアのリズムで歌われるようになりました。
また、1970年代~80年代には、ブレリアのリズムに乗せて歌い、
フラメンコとして踊られることも流行したようですが、
現在では、ほぼ踊られることもないようです。
日本人にも親しみやすい、比較的分かりやすいメロディですが、
今では、スペインでもあまり歌われることがなくなりました。
バンベーラで代表的な歌手 ニーニャ・デ・ロス・ペイネス
アレグリアス・ソレアのリズムへ
ファンダンゴのリズムへ
ブレリアのリズムへ
2012年4月9日筆 Naranjita