リビアーナ of フラメンコ百科事典-データベース

当サイトはフラメンコのカンテと理論の教室 カンテ・デ・ナランヒータが運営しています。

このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。

意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。

パロの詳しい定義はこちら

フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。

(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)

第3グループ  シギリージャ系

LinkIconシギリージャ系全体の説明はこちら

リビアーナ 

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リビアーナ。

この曲種名をご存じの方は、
かなりのフラメンコ通だと言えるでしょう。

前回ご紹介したセラーナと、
ペアで歌われる為に生まれたのが
このリビアーナです。



セラーナの解説には書かなかったのですが。
セラーナと言う言葉の意味は、山の娘さん なんです。

山の娘さん?

はい、ロバの背に荷物を乗せて、山を超え荷物を届ける女の子。

それをセラーナと呼びます。


そんなセラーナと一緒に歌われるカンテですから、
リビアーナ、つまり お伴のロバ という名前がついたんです。

ソレア系のカンテ ポロとカーニャの名前も落語みたいでしたが、
この、セラーナとリビアーナも、かなり笑えるネーミングだと思います。


実は、セラーナはメロディがかなりダイナミックなんです。

いきなりセラーナを歌いだしに歌うのは、ちょっと唐突すぎるので、
なにか、セラーナの前に歌う歌はないかと用意されたと言われています。


どちらも、ラメンテ(歌詞のないスキャットのような部分)があるのですが、
そのラメンテも、セラーナの方がよりドラマチックで音域も広く、
リビアーナの方が、もう少し控えめでシンプルなメロディになっています。

CDに入っている場合は、リビアーナとセラーナのセットで入っていても、
ライナーノーツにはセラーナとしか書かないのが、フラメンコの習慣。

もしかすると、今までセラーナだと思ってきたメロディは、
リビアーナだったのかもしれませんね。


リビアーナで代表的な歌手 ペペ・デ・ラ・マトローナ

LinkIconセラーナの解説へ

LinkIconファンダンゴのリズムへ
LinkIconシギリージャのリズムへ



2012年5月13日筆 Naranjita