カバレ of フラメンコ百科事典-データベース

当サイトはフラメンコのカンテと理論の教室 カンテ・デ・ナランヒータが運営しています。

このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。

意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。

パロの詳しい定義はこちら

フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。

(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)

第3グループ  シギリージャ系

LinkIconシギリージャ系全体の説明はこちら

カバレ 

20050911(010).jpg


カバレは、
古くはイダイブエルタというグループに
分類されていたカンテです。

なぜなら、そのメジャーコードのメロディが、
中南米の音楽の影響を受けているから。

でも、このフラメンコ百科では、
現在のスペインの多くのフラメンコ学者の
分類と同じように、シギリージャの仲間にしています。



カバレはメジャーコードのメロディを持ち、シギリージャのリズムを持っています。

フラメンコ創世記には、シギリージャを歌う時、
歌の最後にこのカバレをつける習慣がありました。

というのも、スペイン人は暗い話しをした時にも、
暗いままで終わるのを嫌って、明るい話しを付け足すように、
暗い歌を歌うときにも、最後に明るい歌を歌って、
明るく終わろうとするからなんです。


そして、最後にカバレをつける習慣から生まれたのが、
カンビオと呼ばれるシギリージャ専用の締め歌です。


そんなカンビオの発達とともに、
このカバレを歌う機会は、少なくなっていき、
現在では、ほぼ聞くことがなくなってしまいました。




LinkIconシギリージャのリズムへ



2012年5月26日筆 Naranjita