このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。
意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。
フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。
(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)
第3グループ シギリージャ系
カバレ
カバレは、
古くはイダイブエルタというグループに
分類されていたカンテです。
なぜなら、そのメジャーコードのメロディが、
中南米の音楽の影響を受けているから。
でも、このフラメンコ百科では、
現在のスペインの多くのフラメンコ学者の
分類と同じように、シギリージャの仲間にしています。
カバレはメジャーコードのメロディを持ち、シギリージャのリズムを持っています。
フラメンコ創世記には、シギリージャを歌う時、
歌の最後にこのカバレをつける習慣がありました。
というのも、スペイン人は暗い話しをした時にも、
暗いままで終わるのを嫌って、明るい話しを付け足すように、
暗い歌を歌うときにも、最後に明るい歌を歌って、
明るく終わろうとするからなんです。
そして、最後にカバレをつける習慣から生まれたのが、
カンビオと呼ばれるシギリージャ専用の締め歌です。
そんなカンビオの発達とともに、
このカバレを歌う機会は、少なくなっていき、
現在では、ほぼ聞くことがなくなってしまいました。
シギリージャのリズムへ
2012年5月26日筆 Naranjita