このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。
意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。
フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。
(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)
第4グループ ティエント系
マリアーナ
ティエント系のカンテには、
ティエントの他にはこのマリアーナがあります。
マリアーナも、ティエントと同じように、
リズムはタンゴで、
カディスで生まれたと言われています。
マリアーナは、雰囲気などもほぼティエントと同じなのですが、
ティエントと一番異なる点は、ゆっくりとしたティエントらしいリズムの部分と、
後半の早いタンゴの部分までがセットになっているということ。
ティエントのように、タンゴデトリアーナなど、他の歌を付け足さなくても、
マリアーナ自体に、軽快なタンゴの部分が含まれているので、
1つの演目が統一感を持つことに特徴があります。
マリアーナは20世紀初頭、カンテブームの最後の頃に、
フラメンコのレパートリーに加えられました。
マリアーナという女性に向けたラブソングとして作られたとも言われるように、
ティエントに比べると、より抒情的なメロディと構成になっています。
1970年頃から、あまり歌われないようになりましたが、
近年(21世紀初頭)のリバイバルブームで、
若いフラメンコ歌手にも、歌う人が増えたようです。
踊り歌として使われることは稀ですが、
構成は基本的にティエントと同じなので、
踊りバックとして歌うことも可能です。
マリアーナで代表的な歌手 エル・モチュエロ
タンゴのリズムへ
2012年7月27日筆 Naranjita