このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。
意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。
フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。
(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)
第5グループ イダイブエルタ系
コロンビアーナ
コロンビアーナ。
直訳すると、コロンビアの女性をさすこの歌は、
実は、正確に言うとイダイブエルタの
グループではありません。
というのも、当初、コロンビアーナも、その名の示すとおり、
中南米の影響を受けた歌だと思われていたのですが、
1980年以降に、実は1930年代に南スペインの港町カディスで
作曲されたものだとわかったからです。
ただ、長年ずっとイダイブエルタのグループに入れられていたこともあり、
現在でも、イダイブエルタの仲間に入れておくことが通例となっています。
コロンビアーナは軽快なかわいらしいメロディの歌で、
若い女性フラメンコ歌手に好んで歌われています。
特に、子供のころにデビューする場合、
必ずといっていいほど、コロンビアーナを録音に加えるほど。
また、コロンビアーナはとってもわかりやすいメロディなので、
フラメンコ界のみならず、一般にもよく知られていて、
CMソングなどにも使われるほど、多くの人々に浸透しているんです。
リズムは、ほかのイダイブエルタと同じようにタンゴ。
日本では、1曲の歌として歌われることはまれで、
グアヒーラを踊る時に、その後半の軽やかな部分で歌われることが多く、
その場合は、グアヒーラのリズムに習って、ブレリアのリズムで歌われます。
コロンビアーナで代表的な歌手 ニーニャ・デ・ラ・プエブラ
2012年9月10日筆 Naranjita