このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。
意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。
フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。
(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)
第5グループ イダイブエルタ系
ミロンガ
ミロンガを初めて聞いたとき、
フラメンコだと思う人は、
少なくても日本には、
いないかもしれません。
たぶん、昔の歌謡曲か、
ミュージカル映画の挿入歌、
そのように感じるでしょう。
フラメンコというと、
力強く声をだすイメージがあると思うのですが、
ミロンガは、ささやくように、
語りかけるように歌う歌なんです。
ゆるやかな4拍子、ロマンチックなメロディ。
最初は物悲しく静かにはじまり、
途中でかわいらしい長調の部分があって、
最後は、とても悲しく終わる。
ストーリー性のある展開は、
踊りのバックに使われるような歌とは、
まったくの別物。
フラメンコのレパートリーの広さを知るには、
ぜひ聞いていただきたいカンテです。
ミロンガで代表的な歌手 ペペ・マルチェナ
2012年9月13日筆 Naranjita