このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。
意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。
フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。
(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)
第5グループ イダイブエルタ系
ビダリータ
同じイダイブエルタのカンテの、
ミロンガととても似ているので、
しばしば間違えられてしまうのが、
このビダリータです。
物悲しく、ゆっくりとしたタンゴのリズムであり、
ささやくような歌い方も似ているのですが、
実際にはまったく別のメロディで、
曲の構成も大きく違います。
実は、ここ数年(2010年以降)のイダイブエルタブームの火付け役が、
このビダリータだと言えるでしょう。
フラメンコの歌は、レパートリーが限られているので、
目新しさを求めることは難しく、
観客に飽きられないようにすることは、
フラメンコ歌手がいつも頭を悩まされていること。
そんな中、長年忘れ去られていた歌、
ビダリータを新たなアレンジと歌詞でよみがえらせ、
今の世の中に再提示したフラメンコ歌手がいました。
その美しさは、観客のみならず、
多くのフラメンコ歌手たちをも魅了し、
みんなこぞって歌うようになったのです。
実は、フラメンコには、
まだいくつか忘れ去られたままの歌があります。
数年後には、大ブームになっているかもしれませんね。
ビダリータで代表的な歌手 マイテ・マルティン
2012年9月13日筆 Naranjita