ビダリータ of フラメンコ百科事典-データベース

当サイトはフラメンコのカンテと理論の教室 カンテ・デ・ナランヒータが運営しています。

このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。

意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。

パロの詳しい定義はこちら

フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。

(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)

第5グループ  イダイブエルタ系

LinkIconイダイブエルタ系全体の説明はこちら

ビダリータ 

184.jpg


同じイダイブエルタのカンテの、
ミロンガととても似ているので、
しばしば間違えられてしまうのが、
このビダリータです。




物悲しく、ゆっくりとしたタンゴのリズムであり、
ささやくような歌い方も似ているのですが、
実際にはまったく別のメロディで、
曲の構成も大きく違います。


実は、ここ数年(2010年以降)のイダイブエルタブームの火付け役が、
このビダリータだと言えるでしょう。

フラメンコの歌は、レパートリーが限られているので、
目新しさを求めることは難しく、
観客に飽きられないようにすることは、
フラメンコ歌手がいつも頭を悩まされていること。

そんな中、長年忘れ去られていた歌、
ビダリータを新たなアレンジと歌詞でよみがえらせ、
今の世の中に再提示したフラメンコ歌手がいました。

その美しさは、観客のみならず、
多くのフラメンコ歌手たちをも魅了し、
みんなこぞって歌うようになったのです。


実は、フラメンコには、
まだいくつか忘れ去られたままの歌があります。

数年後には、大ブームになっているかもしれませんね。


ビダリータで代表的な歌手 マイテ・マルティン 

LinkIconタンゴのリズムへ



2012年9月13日筆 Naranjita