このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。
意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。
フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。
(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)
第7グループ シンギターラ系
マルティネーテ
マルティネーテ
セビリアの川岸にあるトリアーナ地区には、
古くから多くの鍛冶屋がいたと言われています。
鍛冶屋が打つ かなづち が マルティジャソ。
そんなマルティジャソを打ち鳴らす音に合わせて歌ったのが、
このマルティネーテと言われています。
マルティネーテは、シンギターラ系の曲の中でも、
特に苦しみや痛みを歌った歌が多いのが特徴です。
鍛冶屋の仕事はかなりの重労働、
火のそばで暑い中で長時間 槌を降り続けなくてはなりません。
そんなつらい仕事を続けても、収入は低く、
当時の生活は厳しいものだったようです。
そう言った日々の苦しみを歌ったのではないでしょうか。
また、マルティネーテは、シンギターラ系の中では、
リズムが比較的はっきりしています。
(シギリージャのリズム)
そのため、踊りのバックとして歌われることも多く、
その場合は、歌に合わせてパーカッションの音でリズムを刻み、
踊り手の靴音とのコンビネーションを楽しむことができます。
マルティネーテで代表的な歌手 アグヘータ エンリケ・モレンテ
2012年9月17日筆 Naranjita