このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。
意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。
フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。
(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)
第7グループ シンギターラ系
カルセレラ
カルセレラ
カルセレラは、
直訳すると、刑務所の女性看守のこと。
刑務所でのつらい生活を
主題として生まれたと言われる、
このカルセレラ。
女性形になっているのは、他のフラメンコと歌と同じように、
曲種名を女性形でつける習慣からと考えられます。
全体に苦しみを表現する歌が多い、
このシンギターラ系の中でも、特に苦しみが強いと言われ、
セマナサンタ(イースター)の時に、
磔(はりつけ)にされたイエス様の苦悩を歌い上げるときにも、
よくつかわれるメロディです。
また、リズムは、このグループの他の曲と同じように、リブレです。
(リブレの解説は下のリンクからどうぞ。)
メロディは、難解なこのグループの中でも、
かなり難易度が高く、
長調と単調を行き来しながら、
細かい装飾音符を駆使しします。
必要とされる音域もかなり広く、
いきなり高音から呼びかけるように歌が始まるので、
透き通った声のフラメンコ歌手に好んで歌われています。
カルセレラで代表的な歌手 アントニオ・マイレーナ
2012年9月18日筆 Naranjita