タラント of フラメンコ百科事典-データベース

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このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。

意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。

パロの詳しい定義はこちら

フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。

(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)

第8グループ  レバンテ系 

LinkIconレバンテ系全体の説明はこちら

タラント 

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タラント

タラントはこのレバンテ系のパロで、
日本人に一番知られている歌でしょう。

というのも、このグループで唯一
踊られることがあるからです。


タラントが生まれたのは、
他のレバンテ系のカンテと同じ、20世紀初頭ですが、
踊られるようになったのは、20世紀中旬になってからのこと。

アメリカのハリウッド映画にもたくさん出演した、
フラメンコ界の大スター、カルメン・アマジャが最初に踊りました。

踊られる場合は、カルメン・アマジャが始めたように、4拍子のリズムを使います。

ただ、踊られるようになるまでは、
ずっとファンダンゴのリズム(3拍子系)でのみ歌われていました。


現在も、踊りなしの歌だけの場合は、
4拍子で歌われることもありますし、
他のレバンテ系のカンテ同様、ファンダンゴのリズムでも多く歌われています。


また、名前が似ている タランタ と混同されることが多いようで、
その違いはリズムだと誤解されこともありようです。

でも、タランタとタラントの違いはリズムではなく、
あくまでもメロディライン自体です。


歌だけのコンサートでタラントを歌う場合は、
ファンダンゴのリズムでタラント、タランタとつなげて歌って、
1つのナンバーとすることが多いのですが、
それはもちろんメロディが違うからこそできること。

最初は2つのメロディの違いが聞き取りにくいかもしれませんが、
よく聞いていればだんだんわかってくるでしょう。



タラントのもとになった歌は、
他のレバンテ系のパロと同じように、地元の民謡です。

もともと、この地方に住む原住民のことをタラントと呼んでいたのが、
タラントという、この曲の名前の起源だと言われています。


また、ファンダンゴのリズムで歌われる場合は、
リブレで歌います。


タラントで代表的な歌手 マヌエル・トーレ

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2012年9月25日筆 Naranjita