このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。
意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。
フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。
(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)
第11グループ その他のカンテ
ガロティン
ガロティン
ガロティンは、もともとスペイン北部の
アストリア地方の歌だったのですが、
20世紀になってマドリッドやバルセロナで流行し、
フラメンコ歌手も歌うようになりました。
ガロティンというのは、
麦を脱穀する道具や、脱穀することを表す言葉で、
麦はスペイン北部で多く作られているので、
この歌が、北部で生まれたことがわかります。
(ちなみに、南スペインのアンダルシアでは、麦は作っていません。)
麦をみんなで脱穀するときに歌っていた民謡がもとになったと思われるこの歌は、
大きな麦打ちの道具を振り下ろす(ガロティアーダ)のに合わせていたせいか、
ゆっくりとした牧歌てきなリズムを持っています。
拍子は、重たい棒を振り上げ、振り下ろすような2拍子で、
どこかのんびりしているのが特徴です。
メロディも、日本人にもわかりやすい長調で、
誰にでもなじみやすいでしょう。
ガロティンで代表的な歌手 ラファエル・ロメロ
タンゴのリズムへ
2012年10月15日筆 Naranjita