カンパニジェロ of フラメンコ百科事典-データベース

当サイトはフラメンコのカンテと理論の教室 カンテ・デ・ナランヒータが運営しています。

HOME > パロ(曲種) > その他のカンテ > カンパニジェロ

このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。

意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。

パロの詳しい定義はこちら

フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。

(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)

第11グループ  その他のカンテ 

LinkIconその他のカンテ全体の説明はこちら

カンパニジェロ 

294.jpg

カンパニジェロ

カンパニジェロとは、
教会の鐘を鳴らす人のことです。
日本のお寺の鐘と同じよに、
古くは時間を知らせたり、
なにか緊急な出来事を知らせたりと、
重要な役割を持っていました。



スペインはカトリックの国なので、クリスマスはとても大事な行事です。
クリスマスに歌われるフラメンコの代表がこのカンパニジェロです。

最初に短いリブレ(説明は下のリンクから)の歌の部分があり、
その後、リズミカルな歌に続きます。

南スペインでは、人が集まるとき、
みんなで様々なパーカッションを鳴らしながら歌う習慣があり、
このカンパニジェロも、リズミカルな部分は、大勢で様々な楽器を鳴らしながら、
にぎやかに歌われます。

その時使われるのは、タンバリンのようなもの、
木の棒でたたく薄い小太鼓のようなもの、
アラブ音楽でも使われるジルズのような小さな金属製の楽器、
鼓状の本体にゆるく皮を張り、皮の真ん中に木の棒を通して鳴らすもの、
などなど様々です。

ただ、そこまで楽器がそろうことはなかなか難しいので、
仲間内の集まりなどでは、ただテーブルを叩いたり、
ぎざぎざ模様があるお酒の瓶をこすって、ギロのようにつかったりと、
身近なものを打楽器代わりに使います。


カンパニジェロのメロディは、もともと一般に流行していた歌と思われ、
それをフラメンコ歌手がとりあげ、現在の形になりました。


フラメンコのレパートリーは、特に男性用、女性用の区別はないのですが、
カンパニジェロは主に女性フラメンコ歌手に歌われることが多く、
様々なパーカッションを持った女性のコーラスを従え、
クリスマスムードを盛り上げます。


カンパニジェロで代表的な歌手 ニーニャ・デ・ラ・プエブラ

LinkIcon用語リブレの解説へ



2012年10月17日筆 Naranjita