サエタ of フラメンコ百科事典-データベース

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このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。

意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。

パロの詳しい定義はこちら

フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。

(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)

第11グループ  その他のカンテ 

LinkIconその他のカンテ全体の説明はこちら

サエタ 

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サエタ

サエタは、カトリックの国スペインの、
特にアンダルシア地方で、
大々的に模様されるイースターのお祭りで、
欠かすことができない歌です。




フラメンコとカトリックの関係は、日本ではあまり知られていないかもしれません。

でも、特に南スペインのアンダルシア地方では、
讃美歌のかわりにフラメンコの歌を使った結婚式やクリスマス礼拝も行われるほど、
フラメンコと教会は親密な関係にあります。


そんな中で、一番密接にかかわっているのがサエタ。

イースターの時に歌われる無伴奏の歌です。

イースターの時、アンダルシア地方では、
大きな台にマリア像やイエス像を載せ、
大勢の男性が担いで街を練り歩く習慣があります。

その美しい姿を見て、感極まった信者が歌うのが、このサエタ。

歌詞の内容も、イエスの受難や、母マリアの気持ちを歌ったものなど、
信仰の激しさをうかがわせるものが多いのが特徴で、
歌い手は冷静に美しく歌うのではなく、
多少音程をはずしてでも、強い信仰心を表す歌い方がよいとされています。


また、イースターの時期が近付くと、多くの教会で催されるのがサエタのコンクール。

勉強中の若いフラメンコ歌手達も、このサエタのコンクールに多く出場しています。

人によっては、沢山のコンクールに出場、あちこちで優勝し、
賞金で1年分の生活費をまかなっている場合もあるほど、
数多くのサエタコンクールがあります。(数百以上あると言われています。)
また、コンクールの優勝者達は、エキジビションとして、
イースター前後に教会でサエタのコンサートを開くことが通例で、
地元の住民はこぞってサエタを聞きにでかけます。

サエタのリズムは、シギリージャのリブレです。



サエタで代表的な歌手 パケーラ・デ・ヘレス

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2012年10月13日筆 Naranjita