グラナイーナ of フラメンコ百科事典-データベース

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このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。

意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。

パロの詳しい定義はこちら

フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。

(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)

第9グループ  ファンダンゴ系 

LinkIconファンダンゴ系全体の説明はこちら

グラナイーナ 

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グラナイーナ

グラナイーナは直訳すると、
グラナダの女性。
元はアルハンブラ宮殿などで人気の
グラナダで生まれた歌でした。



グラナダはアンダルシア地方の中央山間部に位置し、
盆地で暑いセビリアやコルドバ、
海辺で観光地として人気のマラガやカディスと違い、
冬には雪も降る涼しい気候。
長年のアラブ文化支配によって、独特のエキゾチックな雰囲気を持っています。


このグラナイーナのメロディも、そんなエキゾチックな雰囲気を持ち
フラメンコの歌の中でも、特にデコラティブな歌だと言われています。

細かい装飾音符が多く、音程も低いところから高いところまで幅広く、
いきなり大きく音が飛んだりするので、
歌いこなすには、音域の広さや、息の長さなど必要です。


同名のギター曲の方が日本では知られているかもしれませんが、
名前が同じなだけで、まったく別のメロディを持つ別の曲です。

フラメンコの曲種名には、他のジャンルの音楽と同じ名前のものが多く、
よく混同されてしまうことがあるので、十分な注意が必要です。

(特にスパニッシュギターや、中南米の流行歌に同じ名前の曲があることがあります。
もちろん、すべて名前が一緒というだけで、別のメロディを持つ、全く関係のない曲です。)



ファンダンゴ系の曲なので、リズムはもちろんファンダンゴなのですが、
リブレの代表ともいえる曲で、1拍の長さは拍ごとに大きくことなり、
リズムを感じることは至難の業です。

それでも、何度も聞いていると、
根底に流れる、大きな3拍子を感じることができるようになるでしょう。

ちなみに、フラメンコ歌手は、
こういったリブレの曲を、普通にリズムを取って歌うことも可能です。

グラナイーナをワルツのように軽やかな3拍子で歌うと、
この歌がフラメンコになる前の民謡だったころの雰囲気が、
少しは感じられるように思います。


グラナイーナで代表的な歌手 アントニオ・チャコン

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2012年9月28日筆 Naranjita