メディアグラナイーナ of フラメンコ百科事典-データベース

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このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。

意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。

パロの詳しい定義はこちら

フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。

(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)

第9グループ  ファンダンゴ系 

LinkIconファンダンゴ系全体の説明はこちら

メディア・グラナイーナ 

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メディア・グラナイーナ

メディア・グラナイーナは、
直訳するとグラナイーナの半分。

と言っても、グラナイーナの
半分の長さではなく、
実はもっと長くもっと複雑な歌です。


グラナイーナが人気を博した1900年ごろ、
グラナイーナだけでは短いということで、
グラナイーナに続けて歌うためにアントニオ・チャコンが作曲したのが、
このメディア・グラナイーナです。

アントニオ・チャコンは、
フラメンコ界で唯一 DON(ドン)の愛称を持つ、
まさしく、フラメンコ界のドン。

当時、多くのフラメンコ歌手を育て、フラメンコのお店も経営していました。

また、アンダルシア中に散らばっていた魅力的な歌を集めて編曲し、
フラメンコの歌として発表した張本人だと言われています。

フラメンコの世界で、たった一人だけ名前を覚えるとしたら、
それは、間違いなく、このアントニオ・チャコンなんです。

アントニオ・チャコンに関しては、
後日、また別にページを設けて詳しく説明したいと思います。


メディア・グラナイーナは、
すでに十分難しくデコラティブな歌グラナイーナより、
もっと難しく、もっとデコラティブな歌で、
特に冒頭の音がどんどん飛びながら高くなる部分は、歌い手を選び、
当時の観客を魅了したと言われています。


フラメンコの歴史を作った一番大事な人、
アントニオ・チャコン本人によって作曲されたメディア・グラナイーナは、
フラメンコの歌を知るうえで、かかせない曲と言えるでしょう。


メディア・グラナイーナで代表的な歌手 アントニオ・チャコン

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2012年9月28日筆 Naranjita