ハベゴテ of フラメンコ百科事典-データベース

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このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。

意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。

パロの詳しい定義はこちら

フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。

(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)

第9グループ  ファンダンゴ系 

LinkIconファンダンゴ系全体の説明はこちら

ハベゴテ 

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ハベゴテ

ファンダンゴ系全体の説明にも書いた通り、
ハベゴテは、アバンドラオの曲です。
(アバンドラオとは、激しいリズム、
独特のギターの弾き方をさします。)




ハベゴテは、
他のアバンドラオの曲と同じように、
南スペインの港町マラガ付近で生まれました。

ハベゴテという言葉の意味は、
漁船群のボスの船。

漁船と言っても、大きなまぐろ船のようなものではなく、
家族が数人で乗るような小さいものです。

マラガ付近の海では、
古くから、船が何隻か集まって漁をする習慣があり、
その中心となって指令を送るのがハベゴテなのです。


その名が示すとおり、
ハベゴテの歌詞は、海をテーマにしたものが多く、
漁に関することだけではなく、
船で遠くに行ってしまった人や、
自分の気持ちをゆれる船にたとえたものなど、
様々なバリエーションがあります。


ハベゴテはアバンドラオの曲の中でも、
特に音域が広く、難易度が高いので、
難しいマラゲーニャにともなって歌うことで、
フラメンコ歌手の音域の広さや実力の高さを表現することができます。

ハベゴテで代表的な歌手 ナランヒート・デ・トリアーナ

LinkIconファンダンゴのリズムへ



2012年10月1日筆 Naranjita