このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。
意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。
フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。
(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)
第9グループ ファンダンゴ系
ハベラ
ハベラ
ハベラは、豆類を商う商人のこと。
この歌の生まれたマラガは、
港町で多くの商人が働いていたので、
この名がついたものと思われます。
元になったのは、
地元マラガで行商をする人や、
店頭で客引きをする人たちのよってあげられた、
売り声や呼び声だと言われています。
それを、当時の歌い手が歌にまとめ、
現地で大流行したのが19世紀中旬のこと。
それが、アバンドラオのリズムを伴って、
フラメンコ化してハベラになりました。
ハベラはアバンドラオの曲の中でも装飾音が多いことが特徴で、
特に音程が高いところから一気に低いところへ、
細かい装飾音を伴って一気に下がるところが、
ダイナミックでかつ繊細な美しさがあります。
当時のにぎやかな港町、マラガの様子を思い浮かべると、
よりハベラの雰囲気が伝わるかもしれません。
ハベラで代表的な歌手 エル・チョコラーテ
2012年10月1日筆 Naranjita