このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。
意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。
フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。
(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)
第9グループ ファンダンゴ系
ベルディアーレス
ベルディアーレス
ベルディアーレスとは、
もともとマラガ地方で産出される
オリーブの実のことです。
他のアバンドラオの曲種と同じように、
ベルディアーレスも、マラガ地方にもともとあった民謡をもとにしています。
古くからカスタネットや太鼓など、さまざまなパーカッションを使って、
歌い、踊られた、人気のある歌でした。
地元の人に歌われてきた歌なので、メロディは荒削りで、単純。
どちらかというと粗野なイメージさえあたえるかもしれません。
他のアバンドラオの歌が、よりデコラティブで、
装飾音符が多かったり、音域が広かったりするのに対し、
装飾音符も単純で、音域もあまり広くないのが、
このベルディアーレスの特徴と言えるでしょう。
懐かしい民謡の頃の形を現在にとどめているのです。
ベルディアーレスで代表的な歌手 ガブリエル・モレーノ
2012年10月1日筆 Naranjita