このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。
意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。
フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。
(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)
第1グループ カンティーニャス系
カンティーニャス系
スペインの南、海を渡ればアフリカ大陸という場所に、
アンダルシアという地方があります。
グラナダ、セビリア、コルドバなどの、
日本人におなじみのエキゾチックな観光地も、
このアンダルシアにあるんです。
アンダルシアの中でも、スペインの黄金期と言われる、
中南米統治時代のメインの港だったのが、
このカンティーニャス系の曲のふるさとのカディス。
また、ナポレオン軍が攻めてきたときにも、ここカディスだけは陥落せず、
フランス軍を追い出すきっかけになった場所としても有名です。
黄金期の繁栄、ナポレオン軍相手の勝利など華やかな歴史が、
この地方の華やかな歌の元になっているといわれています。
そんなカディス生まれのフラメンコ歌(カンテ)の中で、
アレグリアス・ソレアのリズムを使う、明るい曲調のカンテを集めたものを、
カンティーニャス系のカンテと呼びます。
よく踊りのタイトルにもなっているので、日本では一番お馴染みのアレグリアス、
実は踊りバックで一番多く歌われてて、
フラメンコの踊りファンなら一番沢山聞いた事があるかもしれないカンティーニャス、
カラコレ~♪という売り声が楽しい港の繁栄時代の匂いがするカラコレス、
このグループで一番古いカンテと言われている宗教的な雰囲気のロメラ、
リズミカルで楽しいミラブラ、
以上の5つがこのグループのカンテです。
みんな似たような曲だと思うかもしれませんけど、よーく聞いてみてください。
それぞれが独特の魅力的なメロディで、のりも微妙に違います。
フラメンコのメロディっていっぱいありすぎてわからないー!って思ったら、
このカンティーニャス系だけよく聞いてみてください。
曲種を聞き分けられる楽しさが、あなたにも味わえるかも♪
以下、このグループの中の曲を、ひとつづつご紹介します。
アレグリアスの解説はこちら
カラコレスの解説はこちら
ロメラの解説はこちら
ミラブラの解説はこちら
カンティーニャスの解説はこちら
2008年1月22日筆 Naranjita
2012年2月27日加筆 Naranjita