3.シギリージャ系 of フラメンコ百科事典-データベース

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このコーナーでは、フラメンコのパロ(曲種)についてご説明します。

意外と思われるかもしれませんが、ある曲があるとき、
その曲がフラメンコかどうかを決めるポイントは、実はメロディなんです。
フラメンコは各パロ(曲種)ごとに決まったメロディがあって、
パロ(曲種)によっては、ひとつのパロ(曲種)に複数のメロディがあることもあります。
それらのメロディが全部集まって、フラメンコを作っています。
フラメンコには譜面もないので、パロ(曲種)の分類はあくまでも耳だけが頼り。
フラメンコ好きを自負される方にも、パロ(曲種)の分類はかなり難しいことです。

パロの詳しい定義はこちら

フラメンコでは、いくつかのパロ(曲種)を集めたグループ単位で、
パロの勉強をすることが一般的ですので、グループに分けてご紹介します。

(尚、当サイトのグループへの分類方法はカンテ・デ・ナランヒータのオリジナルです。)
(グループ全体の説明から、各パロの説明へと読み進めると理解しやすいようになっています。)

第3グループ  シギリージャ系 

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シギリージャ系

フラメンコが始まったのは、
今から100年と少し前のこと。

今では、50ほどの曲種があるフラメンコですが、
最初の頃はレパートリーもほんの少しだったようです。





シギリージャは、そんなフラメンコのレパートリーの中でも特に古い歌で、
フラメンコの最初のコンサートと言われている
1880年代のシルベリオ・フランコネッティのコンサートでも、歌われたほど。

コンサートが行われた場所は、南スペインのカディス県の街、
シェリー酒や馬術学校でも有名なへレスの劇場でしたが、
歌手のシルベリオ・フランコネッティはイタリア人の血をひき、
当時はアンダルシア州の首都、へレスから車で1時間ほどのセビリアに住んでいました。



シギリージャは、フラメンコの中でも、特にメロディの数が多く、
その数は学者によっても見解が分かれているのですが、
約30種類ほどがあります。


また、シギリージャは、グループ1カンティーニャス系のアレグリアス・デ・カディスや、
グループ2ソレア系のソレア・デ・トリアーナのように、街の名前がついているのではなく、
シギリージャ・デ・カガンチョや、シギリージャ・デ・トマ・エル・ニトリのように、
フラメンコ歌手の名前がついていることが多いのもその特徴です。


独特のドラマチックなメロディライン、
可変でスローなリズム、
感情を爆発させるような歌い方で、
かなり難易度の高い歌であると日本では思われているようです。

しかし、本国のスペインでは、かなり基本的なレパートリーと言う認識が強いので、
初心者クラスでも必ず取り上げられています。



そしてフラメンコの踊りの舞台でも、
シギリージャはとてもよく取り上げられる演目で、
1回の公演の中でもメインの曲として踊られることが多く、
踊りの構成にもよりますが、だいたい1曲で20分以上になることが一般的です。



このシギリージャのグループに含まれるカンテは、
シギリージャ、セラーナ、リビアーナそしてカバレです。


以下のリンクをクリックしてください。
このグループのパロ(曲種)を、ひとつづつご紹介しています。


LinkIconシギリージャの解説はこちら

LinkIconセラーナの解説はこちら

LinkIconリビアーナの解説はこちら

LinkIconカバレの解説はこちら




2012年4月17日筆 Naranjita
2012年5月26日加筆 Naranjita